日本政府は2016年3月22日の閣議で、日本共産党について『暴力革命の方針』に変更はないものと認識している」とし、「現在においても破壊活動防止法(破防法)に基づく調査対象団体である」との答弁書を決定した。鈴木貴子衆院議員(無所属)の質問主意書に答えた形でそうのべている。今回は、日本共産党の暴力革命の方針について論ずる。
日本共産党について『暴力革命の方針』に変更はない
日本共産党は昭和26年(1951年)の第5回全国協議会で「日本の解放と民主的変革を平和の手段によって達成しうると考えるのはまちがいである」
「われわれは、武装の準備と行動を開始しなければならない」との方針を決定。
この「51年綱領」と呼ばれる軍事方針に基づき、中核自衛隊、山村工作隊等の非公然組織を編成し、全国各地で火炎ビン闘争や騒擾(そうじょう)事件、警察官殺害事件などの軍事活動、暴力事件を引き起こした。
今回の答弁書も「政府としては、日本共産党が、昭和20年(1945年)8月15日以降、日本国内において、暴力主義的破壊活動を行った疑いがあるものと認識している」と明記している。
共産党が起こした血のメーデー事件をきっかけに破防法が施工
破防法は、そうした暴力主義的破壊活動や52年5月に発生した血のメーデー事件をきっかけとして、メーデー事件直後の52年7月に施工された。
暴力主義的破壊活動をした団体の活動制限などを定めている法律だ。
公安調査庁は同法に基づき対象団体の調査を行う。
警報上の内覧や騒乱などの暴力主義的破壊活動を行ったり、その恐れがある団体には一定期間の活動禁止処分や解散請求ができる、としている。
『敵の出方論』に立った『暴力革命の方針』に変更はない
今回の政府答弁書では、日本共産党について「警視庁としては、現在においても、…『いわゆる敵の出方論』に立った『暴力革命の方針』に変更はないものと認識している」 と明記している。
敵の出方論とは、「マルクス・レーニン主義の革命論の重要原則の一つ」とされ、日本共産党においても「革命への移行が平和的となるか非平和的となるかは結局的の出方による」とし、しかも敵(旧支配権力)の出方と言いながらも、「支配階級はみずから進んで権力をゆずりわたすことは絶対にない」と断定。
そして敵の出方によっては「武器を用いる流血的な形態をとる」としている。
暴力と決別しない「平和革命」
一面では革命の「平和的移行」を追求していることは事実だが、しかしそれとて暴力と決別した「平和革命」ではない。
同党文献には
「たとえ平和革命が実現するとしても、そのことはただちに『合憲的』あるいは『合法的革命』を意味するわけではない。
平和革命=合憲革命=合法革命とみるのは、権力の問題を不当にせまい枠のなかに押し込め、革命そのものを身動きできないものにしてしまう修正主義者の態度」
とし、あるいは
「平和的とはただおとなしくということではありません。また、議会を通じてだけ、いわゆる「議会の道」ではありません。わたしたちは議会を革命的に利用しながら、労働者階級をはじめとする全人民の壮大、激烈なたたかいをすすめていくのです。」と示しているのだ。